1年で最も暑くなるこの時期、伊勢市二見町では伊勢神宮の神事で使われる塩を作る作業が行われています。
伊勢神宮では、米や塩など生命の源とされる大切なお供えを自給自足していて、神様へのお供えのほか、神事でお祓いに使う1年分の塩は、毎年、日差しが厳しくなる7月の下旬から作られます。
この日は、五十鈴川の河口近くにある塩田で作られた濃い塩水を、御塩殿神社の境内にある作業所で煮詰めて「荒塩」にしました。
作業はかやぶきの建物の中で昔ながらの方法で行われ、薪がくべられた直径2メートルほどの平たい釜に塩水を注ぎ、塩の結晶が出来上がるまでじっくりと煮詰めていきます。作業は地元の人たちが奉仕し、一昼夜かけて行います。
作られた「荒塩」は俵に詰めて秋まで寝かされ、10月の神嘗祭を前に焼き固めて奉納されます。